♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「…またあったんだ。」
有紗には全部話しているから、
男子に告白されるようになった事や、
勇也と付き合ってるか聞かれるようになった事も知っている。
私の表情を見てそう思ったのか、
ため息をつきながら聞いてくる有紗。
「うん…」
「で、今日は何だったの?」
「どっちもだよ…。小泉くんに告白されて、
可愛い子は勇也に告白するんだって。」
何か、悪い日だなぁ。今日。
「小泉ね……」
広瀬も何やってんのよ、と呟きながら私を心配してくれる有紗。
「──モテるね、勇也は。
本当は私なんかが勇也と、仲良い時点でおかしいのかも…
勇也には、さっきの子みたいな、可愛い女の子が似合ってるんだ…。」
気付けば、私の目からは涙が溢れていて。
声も、知らない内に震えていた。
「…由莉。次の授業はちょっと休もっか?」
「っ、…うん……」
有紗に手を引かれて、屋上に向かう。
途中、授業の始まりを告げるチャイムが鳴って。
あぁ…、授業サボっちゃったな、なんてぼんやり考えていると屋上に着いた。
屋上の壁にもたれると、有紗は一息ついてから、喋り出す。
「──あのね、信じれないかもしれないけど、
広瀬は由莉の事が好きよ?」
と、私の顔を覗きこみながら、真顔で言った有紗。
「あはは……嬉しい、なぁ……っ」
そんな有紗の言葉に驚くこともなく、泣きそうになるのを抑える。
その"好き”は、友達としてでしょ?
そんなの、嬉しくない。
…私は、勇也の事を友達以上に思ってるんだもん。
「……由莉、信じてないでしょ?」
「いくら有紗の言っていることでも、……信じれないよ」
有紗には悪いけど、これが本音。
だって、そんなわけないんだもん。
最近、全然話してないし、私なんかを絶対好きにならない。
「はぁ…、本当なんだけどなぁ……。
─私は、広瀬の1番は由莉だと思うけどね。」
有紗は私の今の心とは正反対なくらい綺麗な
晴れ渡った空を見上げて、そう言った。
……1番、ね。
「どうして、有紗はそう思うの…?」
私が尋ねると、有紗は言ってもいいのかな…と、
少し考えてからこう言った。
「…前に、広瀬が言ってたの。
──” 俺は、他の誰よりも、水野を笑顔にできるようになりたい "って。」