♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
───"勇也には関係ない”。
気付けば、そう口走っていた私。
「ぁ……」
はっとなって、勇也を見上げると、もう遅くて。
「はは……っ、関係ない、ね。」
勇也は自嘲するかのように言うと、
くしゃっと顔を歪めた。
今まで見たことないような、傷ついた顔。
勇也の整った顔が、その苦しそうな表情を際立たせる。
「ちがっ…、そういう意味じゃ……!!」
「俺、次の授業 休むから。先生に言っといて。」
「勇也……っ!」
弁解しようとしても言えない。
いくら呼んでも、振り返らない。
「えっ広瀬くん、どこ行くの~?」
「私も付いていこーっと♪」
「え……」
勇也は教室から姿を消す。
続いて、勇也のことを好きな子たちも出ていく。
行かないで。
なんて、言えない。
……私が悪いんだ。
私が、勇也を傷つけた。
あんな酷いことを言ってしまった。
…本当は、あの子たちじゃなくて、私が勇也を追いかけたい。
そして、追いついたら、ちゃんと謝りたい。
…どうして、私じゃなくてあの子たちの方が、
勇也の近くにいられるんだろう。
私の方が、勇也をわかってる。
私の方が、勇也と遊んだりだってしてる。
なのに──……。
私たちを見ていた周りの人は気まずそうに私を見る。
「由莉…」
教室に不穏な空気が流れる中。
「みんな何してるんだ~?授業始めるぞ、授業!」
空気を全く読めていない先生。
先生のその一言で、みんなが席へ戻っていく。
教室から窓を覗くと、
中庭には勇也と、さっきの女子達の姿。
「はぁ………」
───こうなったのも、私のせい。