♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「momoちゃん、上がりま~す」
「お疲れー」
「またねー!」
「お疲れ様でした~」
……撮影が終わり、私がそろそろ帰る時間。
スタッフさんたちが笑顔で送り出してくれたから、
私もそれに笑顔で応える。
「お先に、失礼します!」
そう礼をして、スタジオを去った後、
「はぁぁ………」
私の口から出たのは、盛大なため息。
撮影、終わったぁ。
正直、今日の撮影はきつかった。
あの後、隣に勇也がいない席で授業を受けた。
勇也が帰ってきてからも、視界にいれないように必死に頑張って、
ずっと考えないようにしてたんだ。
終礼が終わったら、私たちは一言も交わさず、勇也はすぐに出ていって。
授業をサボった罰として、先生に雑用を頼まれた私と有紗は、
さっさと仕事を終わらして帰ってきた。
そして、家で休む間もなく、スタジオへ直行。
──さっきまで、ずっと何かをやってたから良かったけど…
こうやって一人で考える時間ができちゃうと、やっぱり勇也のことを思い出す。
私、勇也に嫌われちゃったのかなぁ……?
あぁ、ダメだ。
また悲しくなってきた…。
正直、今日の撮影だって、
ただカメラに笑顔を向けていただけかもしれない。
こんなので、立派なモデルになりたい、
なんてふざけてるよね。
…全部が中途半端。
いや、最悪。
服も着替えて、帰る準備をしていていく。
…明日の学校、休みたいなぁ。
どんな顔で勇也に会えばいいんだろう。
勇也は、私の心配してくれてたのに…。
私が一人で考えていた時───
「momo、」
ふいに、名前を呼ばれた。
…こんな大人っぽい声、振り返らなくてもわかる。
「西園寺さん…」
「ちょっと、ゆっくり話しましょ?」
ね?と、西園寺さんはその長い髪をサラッと揺らしながら言った。
……ど、どどどうしよう。
西園寺さんが綺麗すぎて、鼻血が出そう……←
「はい、そうですね!!」
西園寺さんはにこっと微笑み、さらに私の心臓を追いやる。
「じゃ、行きましょ」
そう、西園寺さんに促されて、
とてもオシャレなお店に向かった。