♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
──私は、夏休みが開けてからの、数々の出来事を全部 話した。
この学校だけではなく、他の学校にまでもファンクラブができていること。
私が1人で帰ろうとした時、勇也が走ってきて、私に何かを言いかけたこと。
今日、屋上でサボったら、勇也が怒っていて、ついひどいことを言ってしまったこと……。
…途中、あの傷ついたような勇也の顔を思い出して、
何度も泣きそうになった。
西園寺さんなら、全てわかってくれるような気がして、
私の中の気持ちをぶつけた。
その間、西園寺さんは面倒そうにすることもなく、
ただ、ずっと私の話を聞いてくれて。
全部を話し終えると、ぐっと涙をこらえていた私の頭を優しく撫でた。
「momo自身は、どうしたいの?」
そう、西園寺さんはふんわりと言った。
「…っ、誤解を解きたい。
あと、私は…、勇也が大切なんだって、伝えたい。」
──告白は、できないんだ。
…そんな勇気、私にはないから。
「そうね……。でも、」
そこまで言いかけると、私の手をギュッと包み込む西園寺さん。
「いいの?
───……誰かに取られても。」
「……っ!」
そのずっと、心の内に秘めていたことを引き出した。
「………勇也が幸せなら…っ」
私は、自分の思いを抑えながら、そう言った。
「…momo、そんなバレバレな嘘ついたって、何にもないわよ?」
けど、それは西園寺さん相手にしたら、意味なくって。
「自分の気持ちに嘘ついてまで、抑えなくていいんだから。」
そう言って、西園寺さんは優しく笑った。
「そうやって、嘘ついて誰が得するの?
momoは、広瀬くんの気持ちを勝手に決めてるんじゃないの?」
私が、勇也の気持ちを…?
「──momo、あなたは自分が傷つくのが怖くて、逃げてるだけよ。」
──そう言われた時、私の中で何かが変わった。
「そのままじゃ、何も変わらないわよ。」
……そうだ。
私は、何をうじうじと考えていたんだろう。
今までに、勇也に告白して振られた子たち。
あの子たちは、どんな気持ちで告白したんだろう。
勇気も出せないくせに、勇也の近くにいたい、なんて都合が良すぎる。
「西園寺さん。」
「なーに?」
…西園寺さんや、有紗のおかげでやっとわかった。
「私、
────告白しようと思います。」
そう、誓うから。