♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「八つ当たりって…」
「うん。
水野の事 嫌いになんか…なってないから。」
勇也は頭を掻きながらそう言った。
「だから──、仲直り。」
そして、勇也は私の前に手を差し出した。
見ると、勇也は何だか恥ずかしそうで。
私は差し伸べられた手を握り返して、くすっと笑う。
「うん。──私も、ごめんなさい。」
ごめんね。もう、あんなこと言ったりしないから。
「…よし!仲直りできたことだし…帰るかっ」
くるっとさっき走ってきた方を向いて、教室に戻ろうとする勇也。
そんな勇也に私も付いて行く。
──……ほんと、良かった。
勇也と仲直りできて。
そう思いながら、さっきまでのことを振り返っていると、
ふと私は余計なことまで考えてしまった。
──『泣かないでよ。』
確か、勇也はそう言って私を抱きしめた。
あの時の事を鮮明に思い出してしまって。
──あれは、どうして?
…私は、どうして期待ばっかりするんだろう。
…舞い上がってばっかり。
──でも、
「〜勇也っ!!!」
「ん?」
………今しか、ない。
神様が、そう教えてくれたような気がして。
私が息をいっぱい吸って呼ぶと、勇也はいつものように振り返る。
──ドキンっ!!!!
ただそれだけの事で、私の胸は大きく鳴り出す。
…私の頭の中は、緊張と不安でいっぱい。
勇也………。
私ね、勇也に伝えたいことがあるんだよ。
もう抑えるなんてできないよ。
色々な思いが、ごちゃごちゃに混ざっている中、
「──……放課後、教室で待っていて下さい……。」
勇気を振り絞って、そう告げた。
頭が真っ白になって、ゆらゆらする。
ただ、私の頬が熱いことだけははっきりとわかった。
勇気は、大きく目を見開いてから、優しく微笑んだ。
「──わかった。俺も、話あるから。」
そう言って、くしゃっと私の頭を撫でるんだ。
──…私ね、勇也のそうやって笑うとこ、大好きだなぁ。
…なーんて、心の中で呟いた。