♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「っ、はぁっ……」
職員室を出て、私は教室へと走る。
勇也……、もう帰っちゃったかな?
こんなに待たされてたら、帰っても当然だけど…。
でも、今日しかないもんね!!
今日告うって決めてるんだもん。
…正直、告白する日が来るなんて、思ってもいなかった。
そもそも、好きな人ができるとも思ってなかったし。
だから、こうやって、
勇也に恋をして、
可愛くなりたいと心から願って、
勇也のことしか考えれなくなるなんて、
私じゃないみたい。
…勇也は本当にモテる。
だからこそ、告わないといけない気がする。
もしかしたら、そうやって、
勇也に告白して振られた子たちの一人になってしまうかもしれない。
今までの関係が壊れてしまうかもしれない。
──でも、それ以上に、
誰かに勇也を取られたくない。
だから、私は勇也に告白する。
……………あ。
そういえば、勇也も話あるって言ってなかったっけ??
何だろう。
ま、いっか!
そんなことを考えながら、階段をかけ登る。
角を曲がって、すぐ左の教室に入ろうとした時。
「~~…」
「ーーー…」
ちょうど中に入ろうとした時、誰か話をしてるのに気付いた。
咄嗟に私は、影に隠れる。
……え?
勇也の他に誰かいるの?
私はそーっと中を覗く。
…と、そこには、隣のクラスの神崎さん。
私的に、学年で1番可愛いと思う女の子。
そんな子が、勇也の前の席に座って、なんだか楽しそうに話してる。
会話の内容は、聞こえない。
ドクンっ、と心臓が嫌な音を立てた。
…どういう、こと?
理解できない。
神崎さんが何かを言ったあと、静かになって。
バレないように勇也を見ると、
とても……とても、優しくて、どこか切なそうな顔をしていた。
「っ!」
……あんな顔、私 見たことない。
本能と言うものか、嫌な予感がする。
ねぇ、勇也。
その愛おしそうな表情で
──誰を見てるの…?
「ゆ、」
私は引かれるようにしてドアの影から出て、勇也を呼ぼうとした時。
「──うん。……好きだよ。」
…勇也は恥ずかしそうに笑って、そう言った。