♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
” 好きだよ "
勇也がそう言った言葉。
……嘘。
何だろう、この言いようもない絶望感。
「ふふ。やっぱり。」
神崎さんは下を向いて、小さく笑いながらそう言った。
…その光景を見たとき、全てが終わった気がしたんだ。
あぁ、そっか。
勇也は──、神崎さんが好きだったんだ。
可愛いもんね、神崎さん。
…私、知らなかったよ。
勇也と神崎さんがこんなに仲良かったなんて。
ってことは、2人は付き合ってるのかな?
私の頭から、今までのものが全部崩れ落ちていく感覚。
勇也と神崎さんは2人で笑い合っている。
そんな様子を見ているだけの私。
…すると、勇也はふいにドアの方に目を向けて。
「水野……?!!」
私がいることに気づいた瞬間、
ガタッと大きな音を立てて椅子から立ち上がった。
「水野、さん…?」
神崎さんもこちらに振り返って、焦ったように勇也を見る。
勇也の大きく見開いた目は、ズタズタに傷ついた私をとらえる。
「さっきの話…、聞いてた…?」
勇也はとても焦ったように私にそう聞く。
「…………ぁ、あは」
辛くて、苦しくて、それしか言えない。
こんなの、悲しすぎるから。
「まじか…」
と、勇也は頭をかいて、神崎さんを見る。
神崎さんは「どうするの?」と微笑みながら、勇也を見る。
「っ………!!」
そんな2人を見て、グサッと私の胸に大きな刺がささった。
──やっぱり、付き合ってるんだ。
……やだ。
こんなの、見たくない。
「…あはっ、ごめんねっ。邪魔者は…帰る…から……」
「は?……水野?」
もう…無理だよ。
ごめんね、有紗。
告白なんて、できるわけないや。
「~~っ」
私はそのまま勇也たちに背を向けて、教室を出て行った。
「待てって!!──水野!!!!」
勇也がそう叫んでいるのを無視して、
私はただひたすら、走り出した。
…今は、勇也の声なんて、聞きたくない。
もう嫌だ。無理だ。
そしてそのまま靴を履き替えて、学校を飛び出した。
「あ…」
そういえば、かばん、教室に置いてきちゃった…。
私はそう思って一瞬 立ち止まったけど、
勇也と神崎さんの事を思い出すと、泣いてしまいそうになって。
「……明日でいいや」
また、駆け出す。
──ごめんね。
私、勇也が幸せなのに、祝福できてないね…。
最低だね、私。
でも、
「…ふ………っ」
次から次へと流れてくる涙は、抑えられないよ。
「うぅっ……」
───ねぇ、勇也。
私は……どうしたらいいの?