♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
君だけでいい * 勇也side *
*勇也side*
「何だよこれ……」
夏休みが終わり、2学期 学校で初めて口にした言葉はそれだった。
学校に行き、靴箱で履き変えようと、ロッカーを開けると、
出てきたのは大量の手紙。
1つだけ拾って開けてみると、
『好きです。付き合ってください。』と、
なんとラブレターだった。
…ラブレターとか、正直 初めて。
って、そうじゃなくって。
何でこんなに入ってんの?
「はぁ……」
俺は小さくため息をついて、
とりあえず、教室へ行こうと廊下を歩いていたら。
「きゃー!!広瀬くんよっ」
「広瀬くん、おはよ〜っ!!!」
って、騒ぎ出した女子たち。
そして、俺はあっという間に周りを囲まれる。
…おいおい。
どういう変化だよ。
この前学校に来た時は、何にもなかっただろ?!
「あの雑誌 見たよ~♪」
「私もっ!!本物のモデルみたいだったね〜」
「雑誌…?」
何だそれ。
「ほら、夏休みに発売されてたやつだよ!momoも載ってる!」
と、そこまで言われて、思い出した。
そういえば…、代役で撮影したんだっけ。
あれ、発売されてたのか…。
「もう、その時の広瀬くんがカッコ良くて…//」
と、次々と頬を染め出す女子たち。
それで、何となくわかった。
「へぇ……」
それで、俺はこんなことになってるわけか。
──それからは、
朝も昼休みも見つかるとすぐに女子に囲まれ、
毎日 女子から呼び出される生活。
けど俺は、こんなこと、1週間もしないうちに終わるだろう。
そう思っていた。
……でも、その考えは甘くて。
1週間経っても、ずっと続いた。
むしろ、ファンクラブができたとかいう話も聞いた。
それと同時に、俺の心には引っかかるものが大きくなっていって。
……そう、水野の事。
実は、学校で話す機会が異常に少なくなった。
いつも、水野と伊集院と帰ったり、
休み時間も一緒にいたのに、それが出来なくなっていく。
いつも俺の周りには女子がいて、
水野の所に行こうとすると、「どこ行くのっ?」と止められる。
……そんな日々に、そろそろうんざりしていた時。
「ひ ろ せ 君 ☆」
「…何やってんだよ」
久しぶりに1人になりたくて、
授業をサボって、屋上に行ったとき。
そこには先客がいた。
「伊集院もサボり?」
「んー。まぁね。」
水野の親友、伊集院 有紗。
…伊集院と話すのも久々だな。