♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
声を震わせながらも泣いている水野を見ていると、無性に抱きしめたくなって。
…こんなの、我慢できるわけないじゃん。
「お願いだから………泣かないでよ」
気付いたらそんな事を言っていて、水野を腕の中に閉じ込めた。
俺がギュッと抱きしめると、黙ってしまった水野。
──…あぁ、水野ってこんなにちっちゃかったのか。
水野は何も悪くないのに、謝らして。
好きな子なのに、泣かしてしまった。
…本当。何やってるんだ。
「水野の事 嫌いになんかなってないから…。」
俺はそう言って、水野に謝った。
すると、水野はさっきまで泣いてたくせに、なぜかくすっと笑って。
…俺は本気で言ってるのに、何で笑ってるんだよ。
と、思ったのと同時に、学校でこんなことやってるのに、
いきなり恥ずかしくなってきた。
「…よし!仲直りできたことだし…帰るかっ」
そう言って、教室へ戻ろうと歩き始める。
……やべぇ。
恥ずかしすぎる。
──…もう、告ってしまおうか。
あんな事したら、バレバレだと思う。
それに…、いつまで我慢できるか。
俺は少し赤くなっている顔を見られないように背を向ける。
「ゆ、勇也………っ!」
すると、水野は精一杯に俺を呼んで。
「──……放課後、教室で待っていて下さい……。」
俺が振り返ると、水野はギュッと目をつぶってそう言ったんだ。
俺はただ水野を見つめる。
──びっくりした。
まさか、水野にそんな事言われるなんて思ってなかったから。
話って、なんだ…?
とか思いつつも、
もしかして、水野も?
と、心の中で期待している自分がいる。
……あぁ、もうどうこう考えたって仕方ない。
「──わかった。俺も、話あるから。」
…ちゃんと告おう。
正々堂々と。
そして、俺はふと笑った。
今日、はっきりさせるんだ。
──もしかしたら、振られて終わるかもしれない。
でも、振られたって、俺が水野を好きなのは変わらない。
後悔しない。
何もしないまま、水野が誰かに取られる方が絶対に後悔するから。
────そして、授業開始のチャイムが鳴り、
放課後まで時間は過ぎていった。