♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
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………で。
俺はずっと教室で待ってるわけなんだけど。
「5分じゃねぇじゃん……」
──水野が来ない。
いや、さっきはちゃんといたんだ。
でも、何か呼び出しとか食らっちゃって、
「5分で終わらすから!」と出て行ったけど……
そう思って時計をチラッと確認する。
…………15分。
15分経っても帰ってこない。
それどころか、帰ってくる気配もない。
「はぁっ~……」
こっちはずっと緊張して待ってんだよ……。
俺の頭の中、告白の事しかない。
この、いつ水野が来るかわからないドキドキ感がわかるか?
あー、そろそろ精神的に疲れてきた。
「…ちょっと寝よ。」
そして机に突っ伏そうとした時。
──ガラッ。
と、ドアの開く音がした。
びくっと反射的に俺の体は飛び上がる。
やっと来たか……。
と思って、入ってきた人物を見ると──
「……。」
「……えっ?!ひ、ひひ広瀬くん?!!!」
───それは、隣のクラスの神崎だった。
「はぁ………」
そう言って俺はうなだれる。
水野………、ほんとに何やってるの。
いつまで俺は待つんだよ…。
そう考えると、さらにため息が出てしまい。
「ご、ごめん!私、何かしちゃったかな…??!」
自分にため息をつかれたと思ったのか、神崎はすごい慌て出す。
「いや、違うから。ごめん」
俺はちゃんと誤解を与えないように、そう言った。
「そっかぁ…。
あの、誰か待ってるの…?」
神崎は安心したような顔を見せると、俺の顔色を伺いながら、そう聞いてきた。
「うん。ものすごく待たされてる。」
「あはは。…じゃあ、ちょっと話しても大丈夫かなぁ…?」
「ん?あぁ、いいよ。まだまだ来ないと思うし。」
1人とか寂しいし。
「なら、遠慮なく……。」
そう言って神崎は、その黒くて長い髪を揺らしながら、俺の前の席に腰をおろした。
……神崎は、水野の次に男子から人気な女子。
清楚感がたっぷりで、確かに綺麗だと思う。
でも、水野の人気と神崎の人気は、正直レベルが違いすぎる。
…いや、ただ単に水野がモテすぎているだけなんだけど。