♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
……………え?
私はギュッとつぶっていた目を開いて、
顔をあげた。
何……?
勇也は、何て言ったの…?
もう頭の中が真っ白になって、何も考えられない。
夢の中にいるような感覚に陥って、どうしたらいいのかわからない。
「…これ、本当だから。」
そんな私に気付いているのか、勇也は地面を見つめたまま、そう言った。
「う、そ………でしょ?」
だって、そんなこと。
「本気」
「──っ!!」
そう言われて、顔がどんどん赤くなっていくのがわかる。
だけど、私の胸にはたった一つのわだかまり。
「…神埼さんと…、付き合ってるんじゃないのっ?」
そう。
だって、教室で楽しそうに2人で……。
「だから、勘違いだから。」
「でも私、聞いちゃったもん……!!!」
……あぁ、何で私は自分から地雷を踏みに行ってるんだろう。
こんなこと、言わなかったらいいのに。
「何を?」
勇也は覗き込むようにして、聞いてくる。
「い、いや……、何でもない……」
「言って」
「…やだ」
「言って!」
「~~…」
何を言ってたかなんて、聞かなくても勇也が1番知ってるんじゃないの?
「……私が職員室から帰ってきたら、勇也と神崎さんがいたの…」
「うん」
「それで、ね……。盗み聞はするつもりなかったんだけど…、
勇也が『好きだよ』って言って……」
そこまで言って、あの光景を思い出す。
胸にグサッと何かが刺さって、また悲しみが溢れ出す。
──…痛い。苦しい。
「はぁ~~……っ」
すると、勇也は私の話を聞くと、
勇也は耳を赤くしてうなだれてしまった。
「何でそこだけしか聞いてないんだよ…」
「えっ?」
勇也は小さい声でそう言った。
どういうこと?
そこだけって、何?
私が頭の上にはてなマークを浮かべていると、
勇也は顔をあげて、ブランコから立ち上がった。
そして、私の前まで来て、私のブランコの鎖をギュッと掴んだ。
勇也に前を塞がれて、私の上から覆いかぶさっているような体勢。
「ぁ……」
さっきとは違う、とても近い勇也との距離に心臓が高鳴る。
勇也を見上げると、その距離はもう30cmもないくらい。
な、なんだろう……。
私が勇也を見ると
勇也は少し目を伏せてから私を見て。
「──神崎に言われたんだ。
……水野が好きなの?って。」
「え……?」
ちょっと待って。
じゃ、じゃあ、あの時 勇也が言ってたのって……
「……だから俺は、好きだよって言ったんだ」
話している勇也の声はどんどん小さくなっていく。
「…じゃあ、神崎さんと付き合ってないの?
「うん」
──…そう、勇也が言ったのを聞いて。
「……ふっ……」
ポタ……と、涙が落ちた。