♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥






「水野………?」





突然 泣き出してしまった私を見て、勇也は戸惑う。




だけど、ポタポタと涙は止まることを知らない。





「ぅ…っ、ごめ……っ」




──…何で泣いているのかなんて、自分でもよくわからない。





ただ、安心して。



神崎さんと勇也が付き合ってないって聞いたら、ホッとして。






「私……、嬉しくて…っ」






──2学期が始まるまではとても楽しかった。



有紗と私と勇也の3人でいつも一緒だった。

帰り道だって、一緒だったし。



勉強会もしたし、夏休みも遊んだ。

お祭りは、勇也が誘ってくれたんだ。



…だけど、学校が始まってすぐ、
異変に気付いた。



勇也が歩くだけで、一気にざわつきだす廊下。


休み時間になったら、女子に囲まれて。



前までは、私がいた所に、
知らない子がいる。



その様子を目の当たりにして、
私の胸の中には、モヤモヤとした感情が渦巻く。



けど、それも気付かないふりをしていた。


自分の中に、こんな醜い気持ちがあるなんて、思いたくなくて。


本当は、ずっと苦しかった。



…でも、少し安心している部分もあったの。



あんなに告白されているのに、いつも断っている勇也。


誰とも付き合ったりはしないんだな、って。





だから、神崎さんと勇也が付き合ってるのかと思った時、
もうダメだと思った。







今までのことは何だったの?って。



少しでも期待してた私が馬鹿みたいって。






正直、勇也と1番仲いい女子は私だって思ってたのに。





何だか、今まで積み上げたものが、
神崎さんに全部持っていかれたような気がした。




知らない内に仲良くなってたんだって思って。



もう、諦めようと思ってたの。






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