♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
#005 新世界へ、ようこそ。
ドキドキ100%生活
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えーっと‥、水野 由莉、勇也の彼女になって1日目の朝が来ました!
昨日の夜は、勇也が私の家まで送ってくれて
別れ際にふいにまたキスされた。
よろよろとした足取りで自分の部屋まで行って、ベッドにダイブ。
そして、そのあとの事はよく覚えていない。
っていうか、私たち、昨日‥‥‥‥///
「ぅあぁぁぁぁーーーっ!!!」
「ちょっと由莉、朝から大声出さないで!」
「ご、ごめんなさい……」
ダメだ。
昨日から私はずっと、こんな調子。
思い出しただけでも顔から火出るほど、恥ずかしい。
──ピンポーン♪
「ほら、有紗ちゃんじゃないの?早く行きなさい!!」
私が、両手で顔を覆ってジタバタしていると、
どうやら有紗が来たみたい。
「行ってきます!」
私は急いで鞄を手に取り、そのまま家を出ていった。
「おはよう由莉」
「おはよっ」
私が玄関から飛び出すと、有紗はニコっと笑って手を振る。
「行こっか」と言いながら、いつも通り登校していると。
「…………で。由莉、本題に入るわよ」
「本題?」
「何言ってるのよ。──広瀬のことに決まってるじゃない。」
「あ…………」
有紗の口から勇也の名前を聞いて、ドキッと胸が鳴った。
そうだよ、有紗にちゃんと報告しないと!
「えっとですね……」
だけど、いざ言うとなると何だか照れてしまう私。
好きな人ができたって報告するときとはまた違った緊張感。
こ、これって普通に言っちゃっていいのかな?!
「なぁーに?♪」
有紗は完全に目をキラキラさせて、私の言葉を待っている。
「その……っ、き、」
「ん?”き"??」
う~…、もう言っちゃえー!!!!
「ゆ、勇也と…っ、キス…しました!!!」
きゃー……!!
言ってしまった…、言ってしまったよ!!
私は顔を真っ赤にしながら、目をギュッとつぶる。
は、恥ずかしい~!!!
有紗、どんな顔してるだろう?と思って顔をあげたら。
「は?」
眉間にしわを寄せ、
何とも怪訝そうな顔をしていた有紗。
道の真ん中で、ピタッと足を止めてしまった。
「由莉さ、何個か話とんでるよね?」
「え?」
私がそう聞き返すと、有紗はあぁーっと言って、頭を押さえた。
「だから、私が聞きたかったのは、ちゃんと告白できたの?とか、
返事はどうだったの?って事だったの!!」
「え、そっち……?!」
嘘。
じゃあ、勝手にキスしたとか話してる私って……。
…もう、穴があれば今すぐに入りたい。
「はぁ……、まあ付き合ったのね?」
「うん」
「それで、キスもしたのね?」
「う、うん……」
うっ……。
有紗だからいいけど、すっごい恥ずかしい。
「何か…ちょっとだけ広瀬に腹が立つけど、
おめでとう♪」
「有紗……、ありがとう!!」
何だかんだ言いつつも、祝ってくれた有紗に、
私は思いっきり抱きついた。
そして、もっと詳しく教えなさい!って有紗が言ったから、
私たちは学校に向かいながら、昨日の話をたくさんした。
…もちろん、神崎さんのこともちゃんと話した。
そのあとの公園でのことも全部。