♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
う………、
「きゃぁぁぁあああーー」
「嘘だろぉぉぉおおっ」
私が叫ぶ前に、声をあげる周りの人。
そんな……、と言いながら頭を押さえる。
勇也のその行動と発言に、廊下が一気にざわつきだす。
勇也を本気で狙っていた子たちの中には
倒れる人もいた。
……なぜか男子まで。
もう、廊下は大騒ぎ。
「……!!!!!」
──だけど、そんなの、当の本人である私の方が
大変な状況だ。
う、わぁぁぁぁああ!!
い、いいいきなり何を……!
それに、こんなに大勢の人がいるのに…!
予想外すぎる勇也の発言に、私の頭は大パニック。
勇也の腕の中で身動きも取れない私は、
ただ口をパクパクさせるだけ。
……近いよ!
勇也、近いよ!!!
それに…" 俺はコイツのだから ”って!
「~!」
考えただけでもボッと顔が赤くなる。
「ね?」
そんな様子の私をわかっているのか、いないのか、
勇也は私に話を振ってきた。
……私?!
ここで私に聞くの?!
チラっと見ると、ものすごい形相で私を見ている子たち。
………こ、怖い!!!!
「由莉?」
「ぁ……」
いつまで経っても答えない私に、
勇也は更に追い討ちをかける。
騒ぎの原因となっている勇也に捕まっている私に、
みんなの視線が集中する。
…もうやだ。
早く、この場から立ち去りたい…!!
「っ……、は、はい……」
そう、今にも顔から火が出そうな顔で言った。
「あぁ……………」
そう言って、更にバタバタと倒れていく人。
そして、行く道を塞がれていた廊下は、
少し通れるスペースができた。
それを見て勇也は、
「行くよ」
「え……?!ゆ、勇也!!」
私にしか聞こえない小さな声で、そう言い、私の手をグイっと引っ張っていった。
──勇也に掴まれた手が熱い。
勇也につながれたその手を見て、私は思う。
──勇也は……、私のだ。
絶対、誰にも渡したくないよ。
そして、私は勇也の手をギュッと握り返した。