♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「ふぅ……、もう大丈夫だろ…」
「う、うん……」
あの後、私は勇也に手を引かれて
屋上へと続く階段までやって来た。
今 教室に戻っても大変なだけだろう、という勇也の考えで。
まぁそんな感じで今に至る。
「疲れた…」
と言って頭を掻きながら、勇也が階段に腰掛ける。
「勇也も、毎日 大変だったんだね」
私は、勇也の隣にちょこんと座った。
「あそこまで騒がれたのは初めて。」
「ふふっ、そっか」
そりゃ、毎日あんなだったら学校 休んじゃうよね…。
私がそう言って笑うと、勇也も眉を下げてふっと笑った。
間近で見る勇也の笑顔にきゅんっとなる。
思わずその笑顔に見とれていると、
勇也は顔を赤くして手で顔を覆った。
それを見て首をかしげる私。
「あの、さ。……さっきはごめん」
「さっき?」
「そう。……見せつけたくて、暴走しました。」
「えっ……!!」
そこまで言われて、何のことかわかった。
た分あれだよね……、うん。
「勝手に言って、ごめん」
勇也が本気な方で謝り出したから、私は慌てて否定した。
「いやいや、そんなっ!!…全然 いやじゃなかった、し……//」
「……ほんとに?」
「あっ当たり前じゃんっ」
私が顔を真っ赤にさせながら言ったのを見て、
勇也はバッと顔を逸らす。
「あぁー…そんな顔で見ないで。」
そう言って壁の方を向いてしまった勇也。
「ごめんねこんな顔で!!!
でも、他の女子たちに言ってくれて、嬉しかったよ……」
これは本音。
だって、わ、私の勇也なのに…、
みんなベタベタ触るんだもん。
勇也がカッコイイのはわかるよ?
だけど、そんなの黙って見てるなんてモヤモヤするし……。
恥ずかしかったけど、それと同じくらいとっても嬉しかった。
だけど、私がそう言うと、なぜか勇也は怪訝な顔を向けてきた。
「え?俺、男子に向けて言ったつもりなんだけど。」
「男子…?」
何だろう、それ。
俺にはもう彼女が出来たぞ、っていう報告なのかな?
「だって、由莉モテるから。」
気が気じゃないし……、とため息をつきながら言う勇也。
「え?私?」
「由莉のこと好きな奴に、わからせないとダメだろ?」
「そんなことしなくても……」
ボソッと言ったつもりだだたのに、勇也はそれを聞き逃さなかった。
「ほんと、わかってない」