♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
どうしよう…。
勇也が何も言ってくれない。
もしかして、怒ってる?
でも、私 怒らせるような事したかな?
黙るとは思ってなくて、さすがに不安になる。
「な、何か言ってよ…」
私は、そう言って顔色を伺うように覗き込んだ。ら、
──ガバッ
「きゃっ………」
………何でだろう。
勇也は私の頭を押さえて、無理矢理 下を向かせた。
「勇也?」
どうしたんだろう、と私が顔を上げると、
さっと片手で顔を覆った勇也。
「こっち見ないで」
焦ったように言う勇也の耳は、心なしか赤くなっているように見えて。
私に顔を見られないように顔を逸らした。
……え?
あの、これってまさか。
「勇也………もしかして、照れてる?」
まさかとは思うけど、そうとしか考えれない。
……だって、この反応って。
「…いきなりそんな事言われると、こうなるから。」
勇也は手で口元を覆ったまま、拗ねたようにそう言った。
───嘘。
え、何これ。可愛い。
すごいきゅんってなった。
勇也が……、顔赤くしながら拗ねてる。
こんなの貴重じゃん。
──パシャっ。
「……は?」
「…やったぁ☆」
そう思ったら、つい体が勝手に動いて、勇也を撮っていた。
ふふっ……きれいに撮れたなぁ♪
そんな事を思いながら、画面を見つめる私は、変態なのだろうか。
「ちょ、何やってんの」
「写真撮ったの!」
「いや、それはわかるけど。消してよ」
「やだ。」
それが気に食わなかったのか、勇也は少し怒り気味。
でも、そんな簡単に消してたまるかっ!!
「消してって。」
「やーだ。」
「怒るよ?」
「…でもやだっ!」
勇也は私のケータイを奪って、無理矢理 消そうとしてくる。
私はそれを必死に阻止する。
「由莉、貸せ」
「私のだもん!」
「だいたい、そんなの撮ってどうすんだよ」
どうするって…、
「だって、これで顔が見たい時に見れるじゃん!」
「…っ、はぁ……、わかった」
勇也は、頭を掻きながらも、渋々 承諾してくれた。
これで休みの日も勇也が見れる~♪
「ありがと!…そろそろ教室 戻ろ?」
ずっとここにいるわけにもいかないし…。
多分、有紗も怒っているだろう。
「そうだな」
勇也の返事を聞いて、私たちは階段から立ち上がって、
階段を降りる。
「……んと、殺す気かよ…」
「え?」
そう、立ち上がるときに勇也がぼそっと言った。
……殺す気って、何のこと?
そう、聞き返すけど答えてくれなくて。
「ん、何でもない。行くよ」
「…? うん!」
勇也は、優しく微笑み私の手を引いて階段を降りていった。