♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「え…………っ?」
…嘘。
私が?プロデュースするの?
もう、何がどうなってるのかわからない。
目をパチパチさせながらじっとその紙を見つめる。
そんな私を見て、社長はふっと笑った。
…社長が笑った!!!
あの、怖そうな社長が…、って失礼なんだけど。
「若い子向けの会社なんだけどね…、知ってるかしら?」
そう言って、社長はさっきよりも分厚い紙を渡した。
その紙を手にとって目を通すと、《Venus.》の会社名。
……え、待って。
Venus. って、知ってるも何も…
「わ、私……、ここの商品 大好きです」
《Venus.》は
10代~20代の女性に、圧倒的な支持を誇っている会社。
そんな簡単に買えるような値段ではないものの、
女の子なら、誰だって知っている。
雑誌でもよく取り上げられていたり、CMでも流れていたりする。
可愛らしい、品のあるモノばっかりで、
彼氏からのプレゼントに欲しいと、いう子はたくさんいる。
私も、頑張ってお金を貯めて、ネックレスや、イヤリング、ブレスレッドなど、
何点か持っているんだ。
──もう嬉しすぎて、声が震えた。
「そうなの。先日、オファーが来たのよ。『momoにデザインしてもらいたい』って」
「っ……」
本当に?
本当に、Venusのアクセサリーを?
何だか信じられなくて、夢の中にいるみたい。
「どうする?……やる気は、ある?」
社長は、私の目を真っ直ぐに見てそう尋ねた。
──そんなの、考えなくたって答えは出る。
「………やりたいですっ!!!」
私は大きな声で、社長を真っ直ぐ見ながらそう言った。
やりたいに決まってる。
断るわけがない。
だって…心の奥で夢見ていたことだから。
いつか……、私もやってみたいな、なんて。
「ふふっ…なら決まりね。」
「はいっ!!!」
やったー!!!
思わず叫びそうになる衝動を必死に抑える。
「momo、おめでとう」
「ありがとうございます!!」
私の隣に座っていた西園寺さんは、頭を撫でながらそう言ってくれる。
「じゃあ、これから打ち合わせが増えると思うけど、頑張りなさい」
「はい。失礼しました!」
私は最後に深く頭を下げて、社長室を出た。
「…西園寺さ〜んっ!!!」
「あら、よっぽど嬉しかったのね」
ドアがパタン、と閉まった音を聞いてすぐ、西園寺さんに思いっきり抱きつく。