♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「ね、広瀬くんたち手繋いでるって!」
「えっ嘘!!どこ?!」
勇也は私の手を引いてどんどん歩いていく。
周りのみんなが私たちを見て、キャーキャーと騒ぎ出してしまった。
そんな声を聞いて、私は恥ずかしくなる。
「勇也…、今日 いつもと違うよ…!」
「知ってる」
「な、何で?」
私がそう言うと、くるりと振り返って。
「…見せつけてんの」
そう、いたずらそうにふっと笑って、また歩き出した。
その笑顔に心臓をやられた私は、顔を真っ赤にして口をパクパクさせるだけ。
あ、あの笑顔…………!!!
勇也、いつからそんなキャラになったの?!
もしかして、私 からかわれてる?
私は口をギュッと口を結んで決意した。
…わ、私も反撃だ。
──ドンっ。
決めたら、心が揺らがないうちにすぐ行動。
「は……」
私は前を歩く勇也の背中に思いっきり抱きついた。
……この行動には周りの人も、勇也も固まってしまる。
実を言うと、私も心臓が止まりそう。
…わ、わわわ私 何でこんなことしようと思ったんだろう。
自分でしたことをすぐに後悔した。
「ゆ、り……?」
勇也はガチガチに固まりながら、私を見た。
うっ…どうしたらいいのーーー?!
周りのみんなにすごい見られてるよー…。
ぐるぐると私の頭の中は回って、やっと出た言葉。
「…駅前、の、カフェ 行きたい」
「………っ!!」
私がそう言うと、勇也は顔を真っ赤に染めた。
──…カフェに行きたいなんて、嘘。
いや、行きたいのは行きたいんだけど…、
こんな行動をとってまで行きたいのか、って聞かれたら……。
でも、私がまいた種だ。
ちゃんと自分で処理しなきゃ。
「……ダメ?」
もうみんなの視線が痛くて、早く帰りたくて、
上目遣いで勇也に懇願した。
私たちの周りからは、たくさんの好奇の目。
どこから噂を駆けつけたのか、ギャラリーまでできている。
…こんなことになるとは思ってなかったのに。
勇也に仕返ししようと思っただけなのに。
「わかったから!ほら、行くぞ。」
「ありがと……」
そう言った2人の顔はもう湯気が出る寸前。
──…多分、周りから見たら私たちはとんでもないバカップルなんだろう。
ヒューヒュー♪って、はやし立てる声も聞こえる。
私は心の中で思った。
──誰か、こんな馬鹿を助けてください。と。