♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥




「ね、広瀬くんたち手繋いでるって!」
「えっ嘘!!どこ?!」


勇也は私の手を引いてどんどん歩いていく。


周りのみんなが私たちを見て、キャーキャーと騒ぎ出してしまった。




そんな声を聞いて、私は恥ずかしくなる。



「勇也…、今日 いつもと違うよ…!」

「知ってる」

「な、何で?」



私がそう言うと、くるりと振り返って。



「…見せつけてんの」



そう、いたずらそうにふっと笑って、また歩き出した。



その笑顔に心臓をやられた私は、顔を真っ赤にして口をパクパクさせるだけ。






あ、あの笑顔…………!!!

勇也、いつからそんなキャラになったの?!



もしかして、私 からかわれてる?




私は口をギュッと口を結んで決意した。




…わ、私も反撃だ。




──ドンっ。



決めたら、心が揺らがないうちにすぐ行動。



「は……」





私は前を歩く勇也の背中に思いっきり抱きついた。


……この行動には周りの人も、勇也も固まってしまる。


実を言うと、私も心臓が止まりそう。




…わ、わわわ私 何でこんなことしようと思ったんだろう。



自分でしたことをすぐに後悔した。



「ゆ、り……?」


勇也はガチガチに固まりながら、私を見た。


うっ…どうしたらいいのーーー?!


周りのみんなにすごい見られてるよー…。



ぐるぐると私の頭の中は回って、やっと出た言葉。



「…駅前、の、カフェ 行きたい」

「………っ!!」



私がそう言うと、勇也は顔を真っ赤に染めた。




──…カフェに行きたいなんて、嘘。


いや、行きたいのは行きたいんだけど…、
こんな行動をとってまで行きたいのか、って聞かれたら……。


でも、私がまいた種だ。

ちゃんと自分で処理しなきゃ。




「……ダメ?」

もうみんなの視線が痛くて、早く帰りたくて、
上目遣いで勇也に懇願した。



私たちの周りからは、たくさんの好奇の目。


どこから噂を駆けつけたのか、ギャラリーまでできている。





…こんなことになるとは思ってなかったのに。

勇也に仕返ししようと思っただけなのに。




「わかったから!ほら、行くぞ。」

「ありがと……」



そう言った2人の顔はもう湯気が出る寸前。



──…多分、周りから見たら私たちはとんでもないバカップルなんだろう。




ヒューヒュー♪って、はやし立てる声も聞こえる。



私は心の中で思った。





──誰か、こんな馬鹿を助けてください。と。







< 182 / 248 >

この作品をシェア

pagetop