♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
家に帰ると、早速ネットを開いて検索。
「あ…」
──ここだ。
そう思った俺は、すぐにチケットを購入して、
日曜日を楽しみに待った。
───
──
そして、やって来た日曜日。
電車で行こうと思っていたから、由莉の家の最寄り駅で待ち合わせする。
俺が壁にもたれながら待っていたら。
「ごめんね!待った? 」
そう、スカートを揺らしながら走ってくる由莉。
由莉らしい、天使みたいな服装。
その姿を見た瞬間、俺の心は鳴り出した。
…ちょ、その上目遣いは反則だって。
………あぁ、もうやばい。
可愛すぎる。
本当は今すぐ抱きしめたいけど、周りの目もあるし我慢。
「大丈夫。じゃ、行くか」
「うんっ!!」
そうやって俺は自分に言い聞かせて、電車に乗り込んだ。
ガダンゴトン──…
俺と由莉は隣に座っていて、電車が揺れる度に肩が触れる。
座っていて、下を向くと見えるのは、スカートから覗く、由莉の細い足。
…って、俺は何を考えてんだ。
忘れろ忘れろ。
下心は捨てるんだ。
チラっと由莉を見ると、何やらご機嫌な様子。
すると、ふと由莉が聞いてきた。
「ねぇ、どこの遊園地に行くの?」
あー、そういえば由莉には行く場所言ってないんだった。
「秘密ー」
「えー、教えてよー」
そう言いながら、ぷくっと頬を膨らます由莉。
「だーめ。」
「別にいいじゃん」
「まあ着いたらわかるでしょ」
「えー」
何で隠すのかなぁ…と、少し納得いかないようだったけど、
由莉は聞き出すのを諦めた。
…遊園地に着くまで、由莉は何回か「教えてよー」って聞いてきたけど、結局 教えなかった。
だって今 教えたくないし。
…だけど、目的地に近付いて行くと、由莉も気付きはじめたんだろう。
「ねぇ、勇也。遊園地ってまさか…」
「ん?さぁどうだろうねー」
本当は、由莉がどこのことを言ってるかわかってるけどあえて言わない。
そして、その遊園地がある駅まで着くと
「降りるよ」と言って、放心状態の由莉を引っ張っていった。
そして、入場口の前まで来ると、由莉はやっと口を開いた。
「う、嘘…。ここって…」
「由莉、知ってる?」
「〜っ、知ってるも何も、私がずっと来たかった場所じゃん!」
──そう。
俺が選んだ遊園地というのは、由莉がずっと行きたがっていた所。
どうやら、女子高生の間でものすごく人気があるらしい。
「何でここにしたの?勇也、遊園地とかあんまり好きじゃないでしょ?」
「でも、由莉とだったら楽しいからいいって」
「〜〜もう、勇也ほんとに好き!!」
「はしゃぎすぎだって」
由莉は俺の背中にぎゅーっと抱きつき、飛び跳ねる。
「勇也っ!早く行こっ!!」
小さい子供みたいにうきうきしながら、
由莉は俺の手を引っ張って、走り出す。
「わかったって」
俺はそんな彼女を見て、笑顔をこぼし、
由莉の行く方へと走った。
──果たして、俺はどこまで耐えられるのか。
遊園地デートの始まりだ。