♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「わっ、ごめん‼︎」
由莉は慌ててそう謝る。
「大丈夫だけど、由莉は…」
俺はそこまで言って、由莉の方を見下げた。
「………。」
──は、何これ。
俺は一瞬 黙ると、すぐに顔
を横に向ける。
…どうやら俺は見てはいけないものを見てしまったらしい。
「勇也?」
「ん、何。」
そう、由莉に冷たくしてしまう。
…由莉は、俺を困らせるためにやってるわけじゃないってわかってる。
──でも。
ようやく、抑えれたと思ったのに。
俺は、またゆっくりと由莉の方を見る。
「?」
どうしたの?と首をかしげている由莉。
そして──、
首元からのぞく、由莉の胸。
白くて、柔らかそうなソレは、
俺の理性を刺激するには、十分すぎた。
後ろから押されているため、ぎゅーっと寄って、真上から見たら本当にやばい。
…しかも、これって密着してることになるんだよな。
「──っ」
「きゃっ‼︎」
俺の顔はどんどん赤くなっていくのがよくわかる。
そんな姿を見られたくなくて、
俺は由莉を下に向かした。
「…ったく……。」
──本当に、今日はおかしい。
何でこんなことが続けて起こるわけ?
…もしかしたら、これは神様が試しているのか?
俺は本当に由莉にふさわしいのか、って。
もしそうなら、俺は何としてでも、
この状況を耐えなければいけないんだ。
そう、頭の中で言い聞かせながらも、さっき見たモノが
しっかりと脳裏に焼きついてしまっていて。
くっそ……。
早く頭から離れてくれ…。
つーか、俺、すごい変態みたいじゃん。
「…勇也、本当にどうしたの?」
と、下を向きながら言う由莉。
…何にも知らない、その純粋な声で。
──だけど、それが俺を苦しめる。
俺は由莉に手を出してはいけない…。
「…大丈夫。もう少しだから…。」
──そう。もう少し。
もう少しで、エレベーターが止まって、この状況から逃げだせるんだから。
「頑張れ……俺。」
俺は、誰にも聞こえない声でそう呟いた。