♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
──…何気に、密室…だし。
そう思うと、はぁ、とため息が漏れる。
…さっきまで邪念を捨てて、楽しんでたのに、さっきの店員のおかげで
俺の悪の心は呼び戻されてしまった。
──神様はどれだけ俺に試練を与えれば気が済むんだ。
俺は座りながらそんなことを考える。
──…付き合った時は、大事にしよう、ってそれだけ考えてた。
だけど、本能っていうものには
やっぱり勝てない。
…由莉を、本当に俺のモノにしたい。
日に日に、そんな思いが強くなっていく。
…だけど、ダメだと自分に言い聞かせては消して。
そしてまた思いが強くなる。
…本当、どうしろって言うんだか。
冬の夜になると、外は真っ暗。
観覧車の上から、街の光がキラキラと光っていて、とてもきれいだ。
…一方由莉は、
ドアの近くに立って、うっとりと夜景を見つめている。
「…っ」
そんな由莉の姿があまりにも美しすぎて、
言葉が出なくなる俺。
…俺、いつからこんなに由莉に弱くなった?
最近、ますます由莉のことを好きになっていってる気がする。
由莉のその姿を見るだけで、こんなにも胸がドキドキと鳴る。
──…やばい。
本当に、どうにかなってしまいそう。
頼むから、観覧車が1周するまでは…。
その時、
「──…帰りたくないなぁ…」
由莉はふと、そんな言葉を口にしたんだ。
「──…」
あぁ、由莉は言ってしまった。
男にそんなこと言うのは禁句だ。
でも…
──誘ってんの?なんて、
無邪気に笑う彼女に言えるわけない。
…何か、話題を変えるんだ、俺。
このままだとどうなるかは、自分がよく知っているんだから。
「…由莉、とりあえずこっち座ったら?」
そう言って、俺は自分の隣を叩く。
…お願いだから、もうそんな話しないでくれ。
「あっそうだよね‼︎」
そう言って、由莉は上機嫌なまま俺の隣に座ろうとしたら。
「あっ…‼︎」