♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥









──…何気に、密室…だし。




そう思うと、はぁ、とため息が漏れる。













…さっきまで邪念を捨てて、楽しんでたのに、さっきの店員のおかげで
俺の悪の心は呼び戻されてしまった。







──神様はどれだけ俺に試練を与えれば気が済むんだ。







俺は座りながらそんなことを考える。









──…付き合った時は、大事にしよう、ってそれだけ考えてた。


だけど、本能っていうものには
やっぱり勝てない。








…由莉を、本当に俺のモノにしたい。



日に日に、そんな思いが強くなっていく。





…だけど、ダメだと自分に言い聞かせては消して。


そしてまた思いが強くなる。






…本当、どうしろって言うんだか。







冬の夜になると、外は真っ暗。


観覧車の上から、街の光がキラキラと光っていて、とてもきれいだ。




…一方由莉は、
ドアの近くに立って、うっとりと夜景を見つめている。






「…っ」



そんな由莉の姿があまりにも美しすぎて、
言葉が出なくなる俺。



…俺、いつからこんなに由莉に弱くなった?




最近、ますます由莉のことを好きになっていってる気がする。





由莉のその姿を見るだけで、こんなにも胸がドキドキと鳴る。




──…やばい。

本当に、どうにかなってしまいそう。



頼むから、観覧車が1周するまでは…。




その時、
















「──…帰りたくないなぁ…」





由莉はふと、そんな言葉を口にしたんだ。








「──…」



あぁ、由莉は言ってしまった。




男にそんなこと言うのは禁句だ。



でも…


──誘ってんの?なんて、

無邪気に笑う彼女に言えるわけない。










…何か、話題を変えるんだ、俺。


このままだとどうなるかは、自分がよく知っているんだから。






「…由莉、とりあえずこっち座ったら?」





そう言って、俺は自分の隣を叩く。




…お願いだから、もうそんな話しないでくれ。





「あっそうだよね‼︎」




そう言って、由莉は上機嫌なまま俺の隣に座ろうとしたら。







「あっ…‼︎」











< 195 / 248 >

この作品をシェア

pagetop