♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
キミに会いたくて
「由ー莉っ‼︎」
──昼休み。
私はイチゴ・オレを飲んでいた。
「どうしたの?有紗」
すると、とてもニコニコ……いや、ニヤニヤしながら私に近づいてくる有紗。
そんな有紗の表情に、少し警戒態勢を取る。
「今日は何月何日か知ってる?♪」
「えーっと…12月18日?」
「ということは…⁈!」
「…ということは……?」
有紗は目をとても輝かせている。
なにかあったっけ?
「え…、由莉、わからないの…?」
「あっ!有紗の誕生日‼︎…は5月だし…。……ごめん。わかんないや。」
私がそう言うと、はぁぁ〜〜っ……と、
盛大なため息をついてくれまして。
「よーく考えてみて?…1週間後は何日?」
有紗は私に言い聞かすみたいに話し出す。
1週間後…?
「12月25日………って、あーっ‼︎‼︎」
「そうっ‼︎」
「クリスマスじゃん!」
「うんうんっ」
私がそう叫ぶと、有紗は大きく首を振る。
そうだった…。
私としたことがクリスマスを忘れるなんて…‼︎
「で、どうするの?♪」
有紗はウキウキと私を見つめてくる。
そうだなー…、今年はどうしよう?
「うーん…、去年は有紗の家にお邪魔したし、今年は私の家に来てよ!」
そうだ!
部屋も綺麗にしとかなきゃ!
今年はピザでも頼もうかな?
私があれこれとやることを考えていると。
「はぁっ?」
「え?」
明らかに不機嫌というか…、呆れている有紗の声。
眉間にしわを寄せて、恐ろしい顔になっている。
え…、わ、私の家っていうのが嫌なのかな⁈
「由莉は何の話 してるの?」
「何って…クリスマスでしょ?」
「うん、クリスマスといえば?」
「毎年恒例の、クリスマスパーティーでしょ?」
──バシッ。
私がそう言った瞬間、有紗に頭を叩かれた。
…しかも、割と強い力で。
「〜ったーい…」
私は頭を押さえる。
「由莉っ‼︎あんた、本当に馬鹿なの⁈」
「な…っ」
有紗は仁王立ちしながら、
私を見下げてこう言った。
「広瀬とクリスマスデートしないのっ⁈」
……………………。
「あぁぁぁーっっ‼︎‼︎‼︎‼︎」
そ、そそそそうだった…!
そうわなわなと慌てている私を見て、
有紗はやっとね、とため息をつく。
「でっ、でも!有紗とのクリスマスパーティー…」
「それより、広瀬とのデートの方が大切でしょっ」
「有紗…」
有紗の優しさが心に染みて、思わずうるっとなる。
「ありがとう…、有紗。」
「いいって♪…ほら、広瀬の所 行ってきなさい‼︎」
「え、今⁈」
「当たり前でしょー」
「うー…」
有紗に背中を何度も叩かれて、私は渋々 席を立ち、
教室にはいない勇也を探しに行った。