♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
6月中旬の朝。
「由莉(ユリ)〜起きなさいよ〜」
1階からお母さんの声が聞こえる。
「ねむ……」
私は重たいまぶたをこすりながら、ゆっくりと起き上がる。
…………もう朝?
んー。時間あるし、もう1回寝…
「由莉!聞こえてるのっ?!」
「はぁ───いっ!!!!!」
「まったく……」
危ない……。
朝からお母さんにキレられる所だった…。
仕方ない、学校の準備でもしよう。
ご飯食べて、着替えて、洗顔、歯磨き。
そして………
「よしっ。これでオッケー。」
前髪をあげて薄くメイクして準備完了。
──私にとって、前髪をあげるのは決して忘れてはいけないこと。
「行ってきま〜す」
そう言って、鞄を持って家を出る。
「おっはよー!!由莉!」
「おはよー、有紗」
家の前に立っているのは、私の親友、
伊集院 有紗(イジュウイン アリサ)。
「由莉どーしたの?すごいしんどそうだけど…。
昨日の撮影、大変だった?」
「うー…夜遅くまであったの…」