♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
#006 恋色の夢から、目が覚めて。
カウントダウン
───
──…
朝。
昨日の夜、勇也とクリスマスデートを楽しんで迎えた朝。
…あのあと、勇也が予約していてくれたオシャレなレストランに入って、
夜 遅くまで勇也といろんな所へ行った。
…来年も、一緒に過ごせたらなぁ。
なんて、考えながらカーテンを開ける。
「眩し……」
太陽の光が眩しすぎて、私は思わず目を細める。
あぁ、なんていい朝なんだろう。
こんな素敵な景色は見たことない。
…でも、私はまだ知らないんだ。
不気味なくらい、眩しい太陽の光。
それは、何かを示している。
幸せの表れなんかじゃない。
むしろ、その逆で。
──…これから起こる不幸を、教えてくれているのだと。
「よしっ!仕事の準備しよーっと♪」
私はただただ無邪気で………、
愚かだった。
───
──
「水野さん、伊集院さん、おはよー!」
「あ、おはよーっ」
「おはよー」
冬休みは過ぎるのはあっという間。
さらにうちの学校は、始まるのが1月5日と、とても早い。
…みんなは嫌そうだけど、私は勇也と会えるから嬉しいんだけどね♪
初詣も一緒に行けたし、Venus.の話し合いもほとんど決まって、とても充実した冬休みだった。
そんなことを考えながら、私は有紗と教室へ向かう。
「そういえば由莉さ、クリスマスどうだったの〜?」
思い出したように、有紗がニヤニヤとしながら聞いてくる。
「ふふっ…、じゃーんっ。」
私は自分の手についている指輪を見せるように、手を出した。
「どうしたの?この指輪」
「勇也からもらったの」
少し照れ臭くて、小さい声で言ったのに、有紗は「えぇーーーっ?!」と、大きな声で叫ぶ。
「広瀬って、指輪なんてあげたんだ?」
「う、うん。勇也とペアで、内側に名前も入ってるの」
「ひゃ〜っ……、やるね、広瀬。ちょっと意外。」
「…何で?」
指輪ってそんなに驚くのかな?
まぁ、私ももらった時びっくりしたけど…。
「だってさぁ、ほら。…アクセサリー贈るのって独占欲の表れじゃん。」
「え」
独占欲の、表れ……?
「それに名前入り。あれは相当 独占欲強いよ。うん。」
「そ、う…なんだ…」
「え、由莉 知らなかったの?」
「うん…」
今日 初めて聞きましたともっ!
「ふーん…由莉、愛されてるわねっ」
「ちょ、有紗…!」
愛されてる、なんて大袈裟なこと言わないでよ!
自分の体温が、カァーっと上がっていく。
その時。
「由莉、おはよう」
「ゆ、うや…っ‼︎」
突然 隣に現れた勇也の姿。
「お、主役の登場ね」
有紗はそんな余計なことを言って、そそくさと去っていった。