♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「………っ」
目眩が、したような気がした。
…本当は、何となく気付いていた。
こう言われることくらい。
事務所にたくさん迷惑をかけて、心配までかけさせて。
でも…
「こ、これからは…っ、ちゃんと気をつけます…!だから…」
勇也と別れろなんて、言わないで…。
何回も頭を下げてお願いする私。
西園寺さんは、目を伏せて社長と私の話を聞いている。
「迷惑も、かけませんから…!」
「momo。」
──…嫌だ。
「あなたは、今 Venus.と商品を企画しているわ」
──…嫌だ。
「Venus.だけじゃない。他にも多くの会社と契約している。
それぞれの会社があなたに対するイメージを持っているの。」
「…は、い。」
社長にそう言われて、朝田社長の顔が浮かぶ。
…私のイメージが、Venus.にぴったりだと言ってくれた。
あの言葉のおかげで、私は前より自信を持てるようになったし、
本当のやりがいを見つけた。
「…もしも、あんな報道が流れてしまったら…、
あなたを支えてくれていた人を裏切ることになる」
…わかってる。
でも…、それでも勇也と離れ離れになるなんて、考えたくない。
私からしたら、比べられないくらいどっちも大切。
返す言葉が見つからなくて、私は黙り込んだ。
…そんなの、どうすることもできないじゃん。
──悔しい。
何もすることができない自分が、悔しい。
私は、守ってもらうことしか出来ないんだ。
涙がこぼれそうになるのを抑えている時、
社長は深く息を吸って。
「momo、あなたに恋愛なんてダメよ」
「そんな…っ」
そして、訪れたのは、……絶望。