♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「え……?」
私が昨日あった話をすると、有紗は眉を潜めた。
「それって本当なの…?」
「……うん」
そうなんだよねー…、と力なく笑う。
自分で話しながら、今更ながら実感した。
…なんだか、他人事みたい。
「…っ、それで、由莉はどうするのっ?」
「んー…わかんないや」
何故だかすごく落ち着いている私。
そんな私を、逆に有紗は心配している。
何でそんなに落ち着いてるの?と言いたそうな目。
…だけど、私は有紗と目を合わせることなく
ただただ下を向くんだ。
「広瀬には、言うんだよね?」
私の顔を覗き込むようにして、有紗はそう尋ねた。
──1人で何でも決めてしまうのは良くない。
その有紗の言葉には、そんな思いが込められていて。
多分、勇也と私でしっかり話し合ってほしいんだと思う。
…だけど。
「…言わないよ。」
「え…?」
「勇也には、絶対に言わない」
私の言葉に、有紗は驚いたような声を出す。
…勇也に言ったら、勇也は必ず自分を責める。
それこそ、終わりじゃないのかな…?
「…私が、何とかする」
「なんで…」
有紗は泣きそうな顔をしながら、私を見つめる。
…お願いだから、有紗までそんな顔しないで?
私は、どれだけ大切な人を傷つければいいんだろう。
「私がまいた種だから」
だから自分でやる、と私は有紗に笑った。
──《大丈夫》。
その言葉だけで保たれていた私の心は、
すぐに崩壊するんだ。