♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
俺の決断 *勇也side*
*勇也side*
──最近、由莉の様子がおかしい。
休み時間になったら、「勇也!」と俺の名前を呼んで、
すぐ近くに駆け寄ってくる。
そして、何より甘えるようになった。
今まで、学校でそんなことをしてくることはなかったのに。
でも、そんな由莉が可愛くて、俺的には満足なんだけど、おかしいのはそれだけじゃない。
「由莉、今日も一緒に帰れない?」
放課後を告げるチャイムが鳴るとすぐに、
俺は由莉を呼び止めた。
俺の声を聞くなり由莉は肩をビクッと揺らし、泣きそうな顔になる。
──…これも、いつものこと。
最初は、俺が何かして怯えられてるんだと思ってたけど、
昼の由莉の様子を見て、それは違うとわかった。
…由莉は、俺に何かを隠してる。
「えっと…、今日も行かないといけない所があるから…」
そして、いつもこう言うんだ。
「…俺もついていくけど?」
「や、そんなの勇也に悪いよ…‼︎だから、本当、1人で大丈夫だよ!」
必死に拒否する由莉。
休み時間は俺の所に来るのに、
どうして学校が終わると、俺から避けるようなことをするんだ?
…それに、断られるのは、一緒に帰ることだけじゃない。
遊びに行こう、と誘っても無理。
──…由莉、何があった?
「…そっか」
俺は俯きながらそう言った。
…だって。
「…また、明日ね」
そんな風に由莉が笑うから。
──…泣きそうな顔をして笑うから。