♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「はぁ………」
俺は由莉の後ろ姿を見送ったあと、ため息を漏らした。
正直、一緒に帰ったりできないのは辛い。
前みたいに、カフェ寄って、由莉を家まで送って、「ばいばい」って笑顔で言いたい。
「どうすればいいんだよ…」
そして、俺も教室を出ようとした時。
「あっ」
「え?」
いた…。
由莉のことを、よく知っている人物が。
どうして、俺はこの人のことを真っ先に思いつかなかったんだろう。
「──伊集院、ちょっと…いいか?」
俺がそう言うと、伊集院は渋々頭を縦に振った。
───
──…
「で、聞きたいことあんだけど」
「由莉のことでしょ?」
いつか聞かれるとは思ってたわ。と、屋上のフェンスにもたれながら
伊集院はそう言った。
冬の風が顔に当たって、少し寒い。
俺は、クリスマスに由莉からもらったマフラーに顔を埋めた。
「伊集院は、知ってるんだ?」
「…当たり前じゃない」
…それもそうか。
だって、由莉はいつも有紗が、有紗が、って言ってるし。
まぁ、そっちの方が話が早いからいいか。
「…由莉は、何を隠そうとしてるわけ?」
俺は、今 1番聞きたいことをぶつけた。
伊集院は、ぴくっと眉を動かし、顔を歪めた。
「それは……、言えない。」
「だから、何で………!!」
「〜…私だって、由莉のやっていることは間違ってるって思ってるわよ…っ‼︎」
…いつも大人な雰囲気を出している伊集院が、
突然 声を荒げた。
「どういうことだ……?」