♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「え。」
俺は大きく目を見開いた。
パリコレって、あのパリコレ…?
世界のトップモデルが集まってる、超有名な…?
「広瀬くんも知ってるわよね?」
「はい」
そんなの、知ってるに決まってる。
社長は、そう、と微笑んでまた口を開く。
「momoのような高校生に声がかかるのは極めて異例よ…。
だから私は、ちゃんとそこで経験を積んできてほしいの。」
──確かに。
由莉…、俺の知らないところでそんなに頑張ってんたんだな。
「だけど…、今のあの子にこの話はできないわ」
「……」
一瞬、空気が張りつめたような気がした。
──…多分、それは俺のせいなんだろう。
今、由莉の精神状態ははっきり言ってボロボロだ。
なんとか、必死に保とうとしている。
…そんな状況を作ってしまったのは、他の誰でもない、俺だ。
由莉の立場を……、全く考えていなかったから。
俺が、ただ単に由莉といたくて、何も考えずに行動していたから。
由莉は有名なモデルで、お前は平凡な男子高校生なんだ、って
はっきりと言われたような感覚。
「俺は………、」
──なぁ、神様。
俺は、どうしたらいい?