♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
大好きだから
キーンコーンカーンコーン…
「はぁ…。」
──やってきてしまった、この時間が。
チャイムの音が聞こえ、時計を確認した私はため息をもらす。
と言っても、最近はこれが当たり前のようになってきているんだけど。
クラスの子たちは、ぞろぞろと教室を出て行く。
「今日は何て言おう……」
放課後。
私はまた、勇也から逃げる理由を考える。
「一緒に帰ろ」と言う勇也に、毎日毎日、私は嘘をつき続ける。
だって…、学校の外では誰が見張っているかわからないんだもん。
……なんて、言い訳ばっかりして勇也を傷つけて。
本当、自分が嫌になってくる。
…まぁ、それも慣れ始めてきてしまったこと。
「……」
もう今日は、勇也に声をかけられる前に帰ろう。
断るたびに悲しむ勇也の顔を見てたら、
罪悪感におしつぶされてしまいそう。
そう思い、私は鞄を肩にかけ、教室を出る。
──ギュッ。
「え…っ??」
その時、右手に突然 訪れた感触にびっくりする。
え、何…?!
私はすぐに繋がれた手を見た。
「……っ!」
そして私は、息を飲んだ。
──ダメだ。
顔を見なくても、繋がれている手を見ただけで、
誰だかわかってしまった。
…懐かしいような、この手の温もり。
…きれいで、とても大きな手。
そして──…、
私がつけている指輪とお揃いのもの。
「………帰るぞ」
──勇也。