♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「──…俺は、由莉が幸せそうだったら、それで十分なんだ」
「……っ」
なら、どうしてそんな顔をするの?
眉を下げながら、勇也は悲しそうな目をしていて。
「…俺は、由莉から笑顔が消えるなんて嫌なんだ。」
「私…っ、今でも幸せだよ……?」
──私の笑顔が消えるのは嫌だって言うなら、
どうしてこんなこと言うの…?
「うん……、俺も、幸せ、だから…」
──…じゃあ、どうして私がプレゼントしたマフラーを、
ゆっくりほどいているの…っ?
勇也の声が、だんだんと弱々しくなっていく。
──泣かない。
そう決めていたけれど、やっぱり無理だったみたい。
自分でも気付かないうちに、それは頬を伝っていて。
「…由莉、お願いだから泣かないで…?」
勇也はブランコから立ち上がり、私の前まで来て膝を立てて、私の目線と同じ高さになった。
「ふっ……な、んで……っ」
泣かないで、なんて言うなら…、
勇也だってそんなこと言わないでよ…っ。
「…俺は、いつだって由莉のこと応援してるから」
ふわっと、勇也は自分のマフラーを私の首に巻いた。
その時、顔を上げると、勇也と目が合って。
『…ごめん、もうこのマフラーは使えない』とでも言いたそうな目をして、
勇也は切なく笑った。