♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「──…別れよう」
…それは、本当に突然の言葉。
頭を鈍器で殴られたように、グラっと視界が歪む。
巻かれたマフラーから、勇也の香りが私を包んで、
目眩に襲われた。
「…ぅ、っ……」
──…本当は、なんとなくわかってたの。
社長に呼び出されたあの日から。
…私と勇也は一緒にいられない。
別れないといけないんだ、って知ってても
勇也と1秒でも長くいたかったの。
…でも、そのことを隠そうと必死になって、
勇也との距離が少しずつ離れていってるのも、わかってた。
そして、結局はこうやって人を傷つけただけで、結果は良い方向に変わらない。
「ぅ、ぅっ……〜」
次々と目から大粒の涙がこぼれ落ちていく。
何度 ぬぐったって、止まることを知らない。
地面に落ちて、しみになって広がっていく。
そんな時、勇也は寂しそうに話し出した。
「…俺さ、本当に由莉といられて楽しかった。」
──…やめて勇也。
そんなこと言わないで……っ。
胸が苦しくて苦しくて、この感情はどこにぶつけたらいいのかもわからない。
「──…本当に、由莉が大好きだった。ずっと一緒にいたいって思ってた。
……もちろん、それは今も変わらない」
勇也が鼻をすする音が聞こえる。
私はただ地面に落ちる自分の涙を見ているだけ。