♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
──…勇也は、多分 自分なりに考えた結果だから。
困らせたりなんて、したくないから。
だから、別れたくない、なんて言わない。
…でも、伝えたい想いはたくさんあるんだよ。
「…たしも…、私も、勇也が大好きだよ…っ。
今もずっと好きだよ…!勇也の隣にいるだけで…、幸せだった…」
本当に、私が大変な仕事を頑張れるのは、
勇也がいつも笑顔で「お疲れ様」って言ってくれるから。
「……由莉。」
愛おしそうに、勇也が私の名前を呼ぶ。
すると、頬にひんやりと冷たいものが私を優しく包み込んで。
私は、涙をぬぐいながら、顔をあげた。
目の前にいる勇也は、私の両頬を包みながら、
私をまっすぐ見つめた。
その視線から、目を逸らすことなんてできないくらい。
「…一つだけ話聞いて?
…もう、本当に最後だから………、キスさせて」
今にも消えしまいそうな声でそう呟いた勇也に、
私は大きく首を縦に振った。
「……ありがと」
そう短く返事したあとに、ゆっくりと近づいてるくる勇也のきれいな顔。
……あぁ、こうやって、勇也に触れられるのも、本当に最後。
「ん……」
そして、ゆっくりと、目を閉じた。
勇也は、壊れたものを扱うかのように
優しく、キスをする。
…たくさんの思い出がよみがえってきて、
また涙が出てくる。
…しばらくすると勇也は、静かに唇を離して。
「……今まで、本当にありがとう。
──ばいばい」
…最後に、私が大好きだった笑顔でそう言って、公園から立ち去っていった。
「……っ、うぇっ、……っ」
──その公園で少女はただ一人、
大切な人を失くして泣いていた。