♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
───それからはあっという間だった。
「昨日の夜、momoに会った」
そう言って、半信半疑で水野にかまかけてみたら、
明らかに動揺してるし。
こんなやり方はずるいかとは思ったけど、
俺はどうしても水野の秘密を知りたかった。
そして、水野、俺、水野の親友の伊集院と一緒に駅の近くのカフェテラスへ。
……そこで色んな事を聞かされた。
やっぱり、水野はmomoだったんだ。
そして、この事実を知っているのは、
俺と伊集院と水野だけ、という事。
水野に聞かれたから、どうして俺が水野の正体がわかったのかも話した。
鼻歌だよ、と言うと、水野は赤面。
……男子トイレで水野と会って、そこから気になっていたという事は言わなかったけど。
よっぽど恥ずかしかったのか、
「う、鼻歌……鼻歌、って………、はなう(略)」
ってずっとグダグダ言ってた。
この日から
俺と水野の距離が縮まっていったんだ。
放課後、なりゆきで一緒に帰ったとき、
水野がトラックに引かれかけた。
この時。
俺ははっきりと思ったんだ。
───《こいつを、守りたい。》
今まで心の中でモヤモヤと渦巻いていた、謎の気持ちがわかった。
───前の俺だったらこんな日が来るなんて、想像もしてなかっただろう。
水野がmomoかもしれない、と疑惑を抱いて。
その彼女と偶然にも同じクラスになって。
そして、なんと隣の席にまでなって。
水野がmomoだと打ち明かしてくれて。
水野の秘密を知って。
そして、
───隣にいる彼女を、好きになる。
そんな、日が来るなんて。