♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「っていうかねぇ、広瀬?!」
「はっ?俺??」
そう言って勇也をびしっと指さす。
私に怒っていたかと思えば、今度は勇也にキレだしてしまった。
…さっきまで普通に喋ってたのになぁ。
勇也も、頭の上にはてなマークが浮かんでいる。
あまりにも大きい声で喋るものだから、
クラスのみんなは一斉にこっちを向いた。
「あ、有紗…、声が……」
私の声が有紗の耳に入ることはなく、
有紗は次々と話し出した。
「あんたって、チキンなのっ?!!!」
チ、チキン………?
何でそんなこと…。
「………何がだよ」
勇也も眉間にしわを寄せる。
「何がって……!
部屋で2人っきりにしてあげたのに、どうして何もしないのよっ!!!」
……へ?2人っきり?
「ちょっ、バカ!やめろ!!」
勇也は有紗の言っていること意味がわかったのか、
いきなり慌てだす。
「バカなんて、広瀬には言われたくないわよ!」
「今 言うことじゃねーだろ!」
……2人とも、何の話してるの?
部屋に2人っきりにしてあげたって、どういう事?
「あのー…、私 ちょっと意味がわからな…」
「「静かにしてて!」」
「…。」
──何か……、何かそんなこと言われると、ほんとに悲しくなってくるんだけど……。