♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「私の気遣いはどこに行ったのよ?!」
「別に気遣ってくれなんて頼んでねーし」
なお続く、有紗と勇也の言い争い。
2人から静かにしろと言われたから、
私は黙ってそのやりとりを見つめているだけ。
ゆ、勇也が声を荒らげているなんて……。
そんなに知られたくないのかな。
───…………でも。
その秘密を有紗は知ってるんだ……。
「………っ」
私の胸がちくりと痛む。
有紗より、私の方が勇也と仲いいって思ってたんだけどなぁ……。
───って、ダメダメ。
勇也が誰に話そうが、私があれこれ言う筋合いはないんだし。
「はぁっ?あんた、それでも男なの?」
「正真正銘の男だし。
何で伊集院にそんなこと言われなきゃいけねーんだよ」
──…《ケンカするほど仲が良い》ってこのことなんだ。
有紗と勇也がさう言い合いしてるのを見てると、
どうしても考え方がマイナスな方向に行ってしまう。
もう、ヤダ………………。
辛い、なぁ。
私は2人にバレないようにそっと肩を落とした。
「馬鹿ね。男って言うのは、こうするのよ?よく見ときなさい?」
「…何するつもりだよ。」
はぁ、と私はため息をつこうとした瞬間。
──がしっ。
突然掴まれた、私の両肩。
「へ?」
見上げると、にっこりと悪魔の笑みを浮かべた有紗が立っていて…。
や、やばい。
そう思った時にはもう遅かった。
「由莉、ちょ~っと、大人しくしててね?」