♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
ちょ、ちょっと待って……
「だって、私 いまだに由莉の撮影現場 行ったことないしー」
いや、でもですね…
「そういえば、もうすぐで夏休み入るよな?」
「あ、ならいいじゃない!! 由莉、次の撮影はいつ?」
「水曜日、だけど………」
「なら、夏休み入って3日後ね」
なぜか、ちゃっかりと話を進めちゃってる有紗。
と、その話に頷いている勇也。
私の意思とかそういうものは、関係なしなんでしょうか……。
「あの…、それはちょっと……恥ずかしいんだけど……?」
私がそう言うと、 は? と、眉をしかめる有紗。
「…お礼してくれるんじゃ、なかったの?」
「う゛っ…………!!」
た、確かに言ったけど、ね?!
「へぇー……由莉は嘘ついたの?
それとも、何?…最初からお礼なんてする気ないって?
由莉はそんな子じゃなかったよね?」
有紗はニコーっと…、それはそれはもう、満面の笑みを浮かべていて。
有無を言わせないような威圧感。
はっきり言って、本当に怖い。
「でもさ…、ほら、ね?」
いつまで経っても《yes》の返事を出さない私に、痺れを切らしたのか、
仕方ないか……と、呟いてから勇也の肩をポンッと叩く。
勇也は?マークを浮かべていたけど、
有紗が何かを言って、少し納得いかないような顔をした。
その様子を見て、私も疑問に感じる。
すると………、
「…………水野」
びくっ。
私の耳元で……、好きな人の声が聞こえた。