♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
もしかして…?
プルルルルル……
『もしもし?』
「あ、私です。──西園寺さん」
いよいよ明日に迫った、撮影の日。
正直、明日が憂鬱でたまらない。
『どうしたの?momoから電話してくるなんて。』
珍しいわね、なんてお上品に言う電話の相手は、
私のマネージャーの西園寺さん。
「あの、明日の撮影の事なんですけど……」
だけど、ついさっき私は気付いてしまったんだ。
「友達は…連れて来ない方がいいですよね?!」
西園寺さんがダメだと言ったら、
有紗たちは来ないだろう!!と。
私が”来て欲しくない"って思ってるんじゃなくて、
西園寺さんが”来たらダメ"って言ってるんだから。
そうしたら、明日の話はなくなる。
だから、この質問にNOと答えてくれたら
問題は解決………
『あら、全然いいわよ』
って、西園寺さぁぁぁぁぁん!!!!
ダメダメ……。
なんとしてでもNOと言わせないと!!
「でも…、2人ですよ?!
それに、発売前の雑誌なのにいいんですか?!」
『そんなこと、気にしなくていいのよ』
嘘でしょっ…?
それじゃあ、私の計画は………
『それに、あなたの素敵な姿を見てもらえる、いい機会じゃない♪』
は、はは……。
"素敵な姿を見てもらえるいい機会”なんて、
そんな素晴らしいものじゃ……。
西園寺さんの心は、なんて綺麗なんだろう。
『じゃ、楽しみにしてるわね!』
「はーい、さようなら。あはは………」
ピッ。
「はぁぁぁあああ……」
電話を切った後、私の部屋には大きなため息だけが残った。