♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
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「momoちゃん、おはよー」
「あ、おはようございます!」
ついに来てしまった撮影の日。
私の微かな希望は消え去り、有紗と勇也も一緒に来ている。
「へぇー、撮影ってこんなところでするのね!」
もうすでに、キャッキャっと騒いでいる有紗。
「有紗…お願いだから、静かに、ね?」
「わかってるわかってる♪」
私は小さくため息をついた。
のと同時に。
「momo」
聞こえたのは透きとおった綺麗な声。
振り向くと西園寺さんが立っていた。
「あっ、おはようございます。……あと
昨日言っていた友達です。」
私は、一応2人を紹介する。
「おはようございます。伊集院 有紗です」
「広瀬 勇也です」
西園寺さんは少し目を見開くと、「男の子もいたのね」とボソッと呟いてから
「momoのマネージャーの西園寺です。…今日はゆっくりしていってね。」
と挨拶していた。
……正直、このやり取りを見ている今も、私のテンションは下がり続けている。
───ほんとに、この2人がいる中で撮影するの?
いや、私は2人が嫌とかそんなんじゃなくて……
(むしろ好きだし。うん。)
ただ…、恥ずかしいんだよね……。
すると西園寺さんはハッと何か思い出したように、目を輝かせながらこう言った。
「広瀬…くん……よね?……ちょっとお願いがあるんだけどいいかしら?」
「はい」
「───今日だけ、モデルをしてほしいの!!!」
と、顔の前で手を合わせる西園寺さん。
……………………。
「「「はっ??」」」
その言葉には、私も勇也も有紗も、耳を疑った。
「あのー…、西園寺さん?どういう…ことなんですか?」
私が恐る恐る訊ねると、西園寺さんは涙ながらこう言った。
「実はね…今日来る予定だった、モデルの男の子が、熱を出しちゃって…。
今、探し回ってるんだけど、全然見つからなくて……。
それで、広瀬くんなら身長も高めだし、イケメンだから、代役をやってもらいたいなって…
ダメかしら?」