私の片思い
ここは兄貴の力を借りて、

史くんを呼び出してもらった。



「ずっと、史くんのことが好きでした!
チョコ、受け取って下さい!」



下げすぎじゃないかってくらいに、頭を下げる。


手元には、ラッピングされたチョコレート。




「ごめん…美咲ちゃんのことそんな風に考えたことなくて」


下げられた頭の上から、聞こえてきたのは申し訳なさそうな、史くんの声。



やだっ。
どうしよう…


どうにか我慢しようにも、涙が自然と流れてきてとまらない。


だめだ、美咲!

こうなるって、分かってたじゃないか!



「…っ!
史くん!!」



バッ。


今度は思い切り顔を上げる。



「大丈夫!分かってたから!
史くんが、あたしのこと妹みたいにしか思ってないこと!
でもねっ!知って欲しかったの!あたしは友達の妹なんかじゃない…
史くんのことが好きな、一人の女の子だから…」



流れてくる涙を必死に我慢しながら、自分の気持ちを伝える。


あたしの言葉に史くんは少し驚いたような顔をして、

そして、あたしの大好きな笑顔で

「…ふっ。
美咲ちゃんらしいね。うん、わかった」


そういって、一人で納得する。


「…?」



「美咲ちゃんが、高校生になっても俺への気持ちが変わらなかったら…
少しは女の子として、見てあげる」


「えっ…?」


「告白の返事はそれまで、保留ってことでいい?」


…んっ?

といことは、まだふられたわけじゃないってこと?

なんだろうか。


高校生になるまで、後3年。


試されてるのかもしれない。

この気持ちが本当なのかどうか。



だったら…やってやろうじゃんか!


「うん!
覚悟しておいてね、史くん。
あたしは、そう簡単に諦めたりしないから」



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