私の片思い
***

「佐々木さん。頼まれてた資料になります」

「あぁ、ありがとう」




女子社員から、頼んでいた資料を受け取る。
そして、その場で少し目を通す。


「あの、佐々木さん。今日仕事終わった後って空いてますか?」

「えっ?今日?」

見ていた資料から、視線をあげるとなぜか頬を赤く染めた彼女。

「古賀さん達とご飯に行くんですけど、佐々木さんも来ませんか?」


「あー、ごめん。今日はちょっと予定があるんだ。また、誘って」


「そうですか…」




本当は特に予定はなかったが、今日は家に帰ってそろそろ、彼女に連絡をしないとまずい。


最後に会ってから約2週間。

昨日の夜、美咲からのメールも返せていない。

しばらく、ほったらかしにしすぎたか…


「佐々木ー!よっ!相変わらずモテてんなぁ」


同期の橋本が軽やかにやって来た。


「はっ?モテてないよ」

「いやいや、モテてるでしょ!田中さんからご飯誘われてたじゃん〜」


さっきの見てたのか。


「単にご飯行きましょうってだけだろ」

俺の後輩の古賀も行くって言ってたし。


「古賀は、口実だろう。あれは」


…口実?何のために?



橋本の言っている意味がわからない。



「かー!これだから昔からモテてるやつは…」


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