私の片思い
「あーつーいー!」


下敷きをパタパタと扇いでも、温い風しかこない。

分かってるけど、扇がずにはいられない。


確か、今日は最高気温になるかもしれないと、朝の天気予報のお兄さんが言ってた。



史くんとのデート?をケンカで終わらしてしまった日から一週間。


あの日以来、史くんにはまだ会えていない。


寂しくないと言ったら嘘になるけど、受験生のわたしにとって、会いたい!デートしたい!

とは、言っていられなくなった。


学校の、夏期講習に参加することになっていたわたしは夏休みなのに、毎日学校に登校している。


塾の夏期講習にでも参加しようかとも思ったんだけど、学校でやるほうが断然安いし。


馴れた先生が教えてくれるから、わからないことがあったら、聞きやすいと思ってこっちにした。


でも、学校にはクーラーがなくて、とにかく暑い!

一応、教室には扇風機が置いてあるけど、所詮は扇風機。


生温い風が、吹くだけ。


下敷きを思いっきり仰いでみるが、涼しくなることはない。


こんなに、暑いなら塾にすれば良かったと心の中で思う。



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