初恋の終着駅
妹の買い物の付き合いは疲れる。少しぷらぷらするつもりが、ショッピングモールの端から端までを何往復させられただろう。それなのに、買ったのはカーディガン一枚だけなんて。
「疲れた、座らせて……」
と半ば強引に座り込んだのは、一階のフードコート。どうして自分のではない買い物は、こんなに疲れるんだろう。
妹が呆れた顔で覗き込む。
「何か食べる? 約束通り奢るよ」
「じゃあ、アイスクリーム。イチゴの果肉かジャムか練り込んであるヤツ」
「はいはい」
財布を持って駆けていく妹は、まだまだ元気が有り余ってるようで羨ましい。とても、ひとつ年下とは思えない。
しかも買い終えて、アイスクリームのカップをふたつと財布を脇に挟んで戻ってくる姿も軽やかだ。