初恋の終着駅


「お姉ちゃんさ、仮病じゃなかったんだね」


妹が尋ねた。私の机でモンブランを食べながら。


普通なら用が済んだら部屋を出て行くはずなのに、何故か私の部屋に居着いてる。さらには私が仮病だなんて、失礼極まりない。


「仮病な訳ないでしょ? 失礼な言い方しないでよ、本当に熱出てしんどかったんだから」

「そりゃあ思うよ、体育祭の練習が嫌だから休んだと思ってた。ちょうどタイミングが良すぎだよ」


妹の言うことももっともだ。体育祭の練習が嫌なのは事実だから。


「うん、それもあるけど今回は本気で熱出してたの、タイミングいいって言うけど二回ぐらい練習休んでもねぇ……」

「確かにね……今週は練習休んだら?」


言い方はきついけど、少しは気にしてくれていることが嬉しい。





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