初恋の終着駅


「もしかして、知恵熱?」


するりと食べ終えて、またゴロゴロしながら余韻を楽しんでいると妹がぼそっと尋ねた。尋ねるというより、自分に問い掛けた感じ。


「は? 何それ?」

「香澄ちゃんのことで悩んでた風だったし、二学期始まって、体がついて来なくて熱出したんじゃない?」


妹なりの分析に納得して、なるほどと頷いてしまった。そんな私を見て、妹はしたり顔。


「そうかもね……私、繊細だから」

「違うって、容量オーバーだよ。元々許容量が少ないのにいろいろあったから、いっぱいになって、オーバーヒートしたんだ」


自分で言っておきながら、妹はぷっと吹き出した。本当に失礼なだけど、言ってることはわかる。


「そうかも……しれない」


ぽつんと口に出したら、胸の中でもやもやして暴れてたものが鎮まってくように思える。





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