初恋の終着駅
7. 親友なら
翌朝、ホームで電車を待つ私はいつもと違う緊張感を抱いていた。
人ごみへの恐怖とは違う。
香澄に、何と言えばいいのだろう。
ホームに停まった電車のドアが開いて、車内に乗り込んでいく。
いつものドアに持たれていた香澄が、私を見つけて微笑んで手を振ってくれる。私も笑って手を振り返して、香澄の元へと歩み寄る。
「おはよ、体調はどう? 復活した?」
「おはよう、香澄。ありがとう、もう大丈夫。昨日死ぬほど寝たから」
「そっか、よかったぁ……今日も休みかと思ってたから……」
心配してくれる香澄の声を遮って、車内アナウンスが流れ出す。次の駅 停車駅を告げる車掌さんの声。
どくんと、胸の鼓動が大きく弾けた。
曽我部さん……
この声で、私の名前を呼んでくれた。
胸の奥が熱を持つ。
熱は次第に体中を巡ってく。
堪えきれなくて、頬を両手で押さえた。