初恋の終着駅


言い終えると、香澄はにこりと微笑んで頷いた。


「麻衣、話してくれてありがとう。私も……諏訪さんのことをだんだん好きになってる、気になって仕方ないの」


うん、知ってた。
香澄の気持ちが諏訪さんに傾いていること、諏訪さんが香澄を見ていること、私は気づいていた。


「あれからメールをくれるようになって、『会いたい』って言われて……一度会ったの、それから『付き合って』と言ってくれて……」


あれからとは、定期を落とした時のことだ。香澄はメールアドレスを諏訪さんに教えた。だから諏訪さんは香澄に……


「諏訪さんと付き合ってるの?」

「うん、会ったらすごく優しくていい人で、一緒に居たいと思ったから。でも、こんな気持ちは初めてで……何て言ったらいいのかわからなくて」


香澄の言ってることはよくわかった。私だって、こんな気持ちは初めてだったから。





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