初恋の終着駅
8. 未来を夢見て
やがて体育祭は無事に終わり、次のイベントは十一月の芸術鑑賞会。その前に乗り越えなければならない二学期の中間テストも今日で終わり。
テストの結果はともかく、清々しい気分で私たちは坂代駅に着いた。
「おかえり、テストできた?」
諏訪さんが窓口から顔を覗かせて、優しく微笑みかける。
「ん……まあまあ」
笑って返しながら、香澄が改札機を通り抜けた。私も後に続く。微笑ましい二人の様子を見ていたら、私まで胸が高鳴って優しい気持ちになれる。
「もうすぐ電車が来るよ、急いで」
振り返ると、にっこり笑った諏訪さんがてを振ってる。手を振り返した香澄は私の手を取り、
「急ごう」
と言って駆け出す。
ホームに着いたら、ちょうど電車の到着を告げるメロディが流れ出した。