時の旅人
「あぁ あ あ ぁぁ あ ぁ あ ぁ !」
「アンナ!!どうしたの!!」
「嫌あぁあぁ!!来ないでえぇっ」
―…ザシュッ
「…え…」
目の前のヒトからは紅黒いモノが溢れ出ている。
おばさんの優しそうな顔立ちがだんだん険しくなっていって、最期には血を吐いて倒れた。
「やっ…あ…あぁ…!!!」
かつてヒトだったものは膝を折りあたしの膝の上に倒れる。
そのおばさんの白目が、あたしを鋭く睨んでいた。
「やめて―――――――――――――!!」
安全な場所を求めて村中を走り回る。
右を見ても左を見ても。
前も後ろもどこにもあたしが行ける場所はないように感じた。
「アンナ?」
目の前に立つヒト。
あたしの分身とも言えるヒト。
「よかったぁ…」
「アンナ??」
「よかったよお…」