時の旅人
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「あ お城の鐘鳴ったな」
「んじゃあたし帰るね!!」
え、と俺は小さく呟く。
久しぶりの2人きりだ。もう少し一緒にいたいし…
「ええよ そんなん気にせんでも」
「ううん 帰んなきゃいけないんだ」
「なんで いつもなら鐘が鳴ろうが壊れようが帰らないクセに」
「なんだか…ね、」
アンナは言いかけて淋しそうに俺を見る。
「"呼んでる"気がして」
なにが、と問てもアンナは笑うだけ。
その少し苦しそうなアンナの笑顔は、俺のあの好きな笑顔をどこかへ閉まってしまうようだった。